また製造ラインもパイプのOTさや機械周りやライン速度といったことまでオリジナルである。
加熱処理をしていない食品なので、空気中の雑菌が混入したらアウトである。
そこで、豆腐を入れる容器や輸送用の発泡スチロールも自分たちで開発したという。
また輸本当に社員が幸せな会社送中の温度管理のためには氷がもっとも適しているそうだが、その氷の大きさや硬さまで管理しているという。
驚くのはこうしたことを機械メーカーと相談しながら、全て自分たちで考え、開発しているということである。
大震災に見舞われた神戸でふるまった湯豆腐曹洞宗の開祖・道元は生活そのものが修行であると言ったそうだが、精進料理は、豆、胡麻、葛、椎茸、タケノコなどを丁寧にさまざまに調理する。
KB社長も良い素材を厳選し丁寧に作り込めば良い品ができると確信している。
良い品が世間に受け入れられれば、それは自信につながり、信頼が得られれば、その積み重ねが伝統になるという信念は昔から変わらない。
品質のほか、もう一つのコンセプトである、従業員と経営者の「質の向上」に関していうと、社員がいつも思い出すのは、1995年の阪神・淡路大震災だ。
1月17日の早朝、福井県も大きく揺れたという。
昼頃からだんだん震源地が阪神であり、被災地が大変な状況になっていることがわかってきた。
すぐに「みんなで救援に行こう」となった。
町役場からテントを借り、永平寺からは料理道具の大きなナベーカマを借り、県からは「救急の腕章」を借りた。
そして料理の材料を持てるだけ持ち、当時の従業員の十数人のうち、社内に二人を残して翌朝に出発した。
この年の冬の永平寺町は丁5メートルの積雪で、あちこちでスリップ事故による渋滞があり、福井を出るだけでも難渋したという。
大阪に入り神戸に近づいたところ、非常線が張られていて、「道路が寸断されており、混乱しているので行くのは無理だ」とストップがかかったそうだ。
しかし、かつて大阪で働いていて道をよく知っていること、ボランティアによる炊き出しの救援であることを説明して通してもらい、寸断されたデコボコ道をゆっくりと走り、真夜中の3時に神戸に入った。
さっそく鰹節と昆布でだしをとり、野菜を入れた湯豆腐を作ってその場でふるまった。
寒い中での特製湯豆腐は好評で、実にたくさんの人が並んだという。
その長い列の中に小学生と思える一人の少女がいた。
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